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それぞれの水彩絵の具の特徴

それぞれの水彩絵の具の特長を見てみましょう。

①透明水彩絵の具
　透明水彩絵の具には、顔料の密度が低く、色の《のび》がよいという特徴があります。
密度が低いことにより、薄くのばすと、下地が見えて、水彩画独特の《透明感》のある表現となります。
透明水彩絵の具は、水加減によって、さまざまな色（色相）を表現することができ、水が多いほど、明るい色になります。また、白色は基本的に使用せず、紙の地などの素材そのものを活かします。

②不透明水彩絵の具（ガッシュ）
　不透明水彩絵の具は、利用者の間では、ガッシュと呼ばれています。透明水彩絵の具に比べて顔料の密度が高い（絵の具の粒子が大きい）のが特徴です。
密度が高いことにより、下地の色を覆い隠し、このため、明るい色をあとから塗り重ねることも可能となります。その一方で、厚塗りで使用することが多いので、絵の具の消費量は、透明水彩絵の具に比べると多くなってしまいます。

③アクリル絵の具
　アクリル絵の具というのは、顔料をアクリル樹脂メディウムで練った絵の具のことです。
水性絵の具なので、水で溶いて使用しますが、乾くと、樹脂が完全に固まってしまいます。筆についた絵の具も同様ですので、筆に絵の具がついたまま放置しないように気をつけなければなりません。

④アクリルガッシュ
　アクリル絵の具にも、透明絵の具と不透明絵の具の２種があり、不透明絵の具のほうは、アクリルガッシュと呼ばれています。
乾燥が早く、乾くと何度でも重ね塗りができます。また、紙以外の素材にも描くことができ、工作などにも利用できます。さらに、メディウム類を混ぜることにより、油絵のような表現も可能になります。

水彩絵の具は、このほかにも、「固形タイプのもの」や、描いたあとで水でのばす「鉛筆タイプのもの」などがあります。また。同じ名前でもメーカーによって色が違いますので、自分好みのメーカーを決めておくとよいでしょう。